市街地をぬけ、善通寺大野原線を西に進むと右手に見えるのが王墓山古墳(おうはかやまこふん)。古墳のまわりを巡ることも登ることもできる史跡公園で、頂上からは市街地に溶け込む五重塔や、天気の良い日には瀬戸大橋まで見渡すことができます。
古墳のまちでもある善通寺市では、大小約400基もの古墳があったとされています。その中でも有岡古墳群は、善通寺市の王家の谷と呼ばれ、歴代の首長の墓と推測される古墳が集まっており、国の指定史跡になっています。その有岡古墳群の中央部に位置するのが王墓山古墳です。
6世紀前半に造られた王墓山古墳は、全長46mの前方後円墳。横穴式石室を持ち、石室からは須恵器などの土器類、首飾りなどの装飾品、武具・馬具類、大和政権が地方の有力豪族に渡したのではないかという金銅製冠帽(こんどうせいかんぼう)や銀象嵌(ぎんぞうがん)を施した鉄刀が出土しています。これらは貴重なものばかりで、市立郷土館に展示されています。
4月29日の「古墳の日」には石室内も一般公開されます。
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出土した金銅製冠帽
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出土した金銅製冠帽の復元模型
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横穴式石室の内部。この地域には珍しい石屋形があります。