緑豊かで四季折々に表情を変える『曼荼羅寺』は、四国霊場の中でも最古に属する飛鳥時代に創建されたと言われています。かつては弘法大師空海の出自である讃岐の領主・佐伯家の氏寺として世坂寺と呼ばれていましたが、唐から帰った弘法大師が、母君・玉依御前の菩提寺として伽藍を建立し、唐から持ち帰った曼荼羅を安置したことから『曼荼羅寺』と名を改めました。本尊は大日如来で、1,500坪を超える敷地には、本堂、大師堂、護摩堂、観音堂などが建ち並びます。霊験あらたかな木々に囲まれた本堂の屋根には重厚な飾り瓦があしらわれ、荘厳な雰囲気を醸し出します。その他にも境内では、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した歌人・西行法師が昼寝をしたという言い伝えが残る「西行の昼寝石」や、笠をかけたという「笠掛桜」を見ることができます。
『曼荼羅寺』に伝わる
弘法大師空海ゆかりのお話
『曼荼羅寺』には、かつてはお大師様が手植えされたと言われる「不老松」と呼ばれる樹齢1,200年を超える笠松がございました。残念ながら松くい虫の被害により平成14年に伐採を余儀なくされましたが、現在はその不老松の幹にお大師様の御影を刻み、「笠松大師」として安置しております。不老松が植わっていた跡地には囲いと看板を設置しており、かつての存在感を実感いただけるかと思います。
住職・清文さん